看護師の経験を生かした介護タクシーの現場での適切な判断と対応

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私は看護師であり、介護タクシーの事業者でもあります。

介護タクシーの仕事の目的は「人を安全に目的地まで搬送する仕事」です。

今回は「人を安全に搬送することができない恐れ」がある場合にどのような行動をしたのか、

また、なぜそのような行動をしたのかをお伝えするとともに、嬉しい再会の出来事もお伝えしていきます。

 

ベッドから動けない理由であやべ介護タクシーの搬送依頼

春過ぎくらいでしょうか。ベッドから動けないということでご家族から私のところに一本の電話がありました。

私が訪問すると、本人さまはベッドに寝ておられ、受傷機転(なぜ動けなくなったのか)を伺うと、転倒後より動けなくなったとのことでした。

また、両上肢の筋力低下及び下肢の感覚異常を訴えておられたので、もう少し聞き取りをすると、

既往歴で頸のヘルニアを指摘されたことがあるということでした。

このことから私は「中心性脊髄損傷」を疑い、ご家族さまに経緯を説明し、救急車による搬送を了承していただくことになったのです。

中心性脊髄損傷とは、主に脊椎が損傷されて起きる疾患で頚椎に多いとされています。受傷機転として多いのは、交通事故やスポーツなどで首が急に後ろに反りかえることにより、頚髄中心部が挟み込まれるように損傷を受けることで起きます。主に腕や足にピリピリするような痺れが発症したりしてしまう症状が特徴です。 <横山医院さまブログより引用>

介護タクシーの現場での適切な判断と救急隊への引き継ぎ

介護タクシーの現場では、その現場に居合わせた運転手の適切な判断と対応が求められます。

基本的にはお客様の依頼に基づいて行動をしますが、今回のようにこちらで判断をして、

安全に搬送ができない恐れがある場合は、救急隊へ搬送依頼をすることになります。

今回の患者さまは「中心性脊髄損傷」の疑いがあったわけですから、当社の車両に常備しているスクープストレッチャーとネックカラーを使用する必要があります。

ただ、患者さまを安全に動かす人数を考えると、私と素人であるご家族の2名で動かすのと、救急隊3名で動かすのでは、圧倒的な差が生じます。

病状をこれ以上、悪化させずに搬送することを考えれば救急隊による搬送が予後にも影響すると判断をし、救急車を依頼したのです。

救急隊へ適切に引き継ぎをするため、私は救急隊が到着するまでにバイタルサインと意識レベル、四肢の状態を観察し、メモを救急隊に渡して、その日は搬送をせずに帰宅しました。

嬉しい再会と搬送事業者としての思い

救急搬送をされた患者さまは、搬送先の病院で入院治療をされました。

そして、少し症状が緩和されたのかリハビリ目的で転院が決まり、当社に転院搬送の依頼があったのです。

再会時には、まだ下肢筋力に不安があり、介助による移動でしたが、両上肢の筋力は回復し、車椅子による移動ができるレベルまで回復されており、経過は順調に回復されてきているとのことでした。

受診のお手伝いができるこの仕事、しかし搬送することによって状態が悪化したり、苦痛を伴わせたりすることは誰も幸せではありません。看護師の私ができることはお身体の状態を聞き、最良の方法で患者様が目的地まで移動できるサービスを提案できることだと思っています。今後も皆様のお身体を安全・安楽な搬送を心がけていきたいと思います。

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